FC2ブログ

音楽屋ルード館

音楽屋ルードによる、CDレビューや音楽のお話

Sketches For My Sweetheart The Drunk / Jeff Buckley

  1. 2012/12/02(日) 00:55:20_
  2. CDレビュー
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
素描素描
(1998/05/13)
ジェフ・バックリィ

商品詳細を見る



1997年、レコーディングの最中に起きた突然死。それは、あまりにも唐突で、その若さ故にも、輝きは尚も増して来ました。そのときレコーディングをしていたのが、今作品です。様々な意向はありながらも、現行の形で、未完成ながらも発売されました。日本語タイトル「素描」と名の付いた今作は、あまりもざらついた質感でありながらも、生々しい声を伝えるに十分な魅力で溢れています。完成された前作よりも、それは生きる力に満たされているとさえ思えて来ます。

この作品には、遺作と言う異名が付いて回ります。それは、尚も必然ではあるのですが、そうゆう想いを抜きにしても、これだけの美しい作品を作れるミュージシャンと言うのは、当時も今も、そして歴史を紐解いてみても、それほど多くはないと言うことが、ある程度の音楽を聴いて来た人なら、一聴して分かるのではないでしょうか。

アレンジが未完成で、音のまとまりが分散的になっているが故に、その声はまるで、Jeff Buckleyと言うその人が今ここにいる証のように、美しく響いて来るのです。ジェフの声は、時として「天使の歌声」と例えられているようです。それは、命を落としたことが後押しするかのように、命をかけて歌声を響かせているかのように、十年以上経った今でも、微塵も色褪せない輝きを放っています。

まだ彼の歌声を聴いたことのない人は、その声をすぐにでも誰かに伝えたくなる、そんな体験をすることになるかもしれません。美しい音楽と言うのは、理論や理屈ではなく、そこにその音楽が流れていると言う事実、その事実一点にのみ、大きな価値を生み出すのかもしれません。また明日から、生きて行こう。生きるって悪くない、そう思わせてくれる光の歌声を、きっと響かせてくれることでしょう。

テーマ:お気に入り&好きな音楽 - ジャンル:音楽


-音楽記録媒体史から、-

  1. 2012/12/01(土) 02:27:18_
  2. 理論色々
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
音楽の記録媒体史は、更なる進化を期待されています。レコードからCD、そしてデータ音源へ。その間、DATやカセットテープ、MDなどを挟みながらも、概ね、データを圧縮しながら進化を続けています。レコードよりもCD、CDよりもmp3というように、音源はより小さく、小さくまとめられながら、時代を駆け抜けているのです。

実際にはどういった違いがあるのかと言えば、レコードでアナログ録音された音源には、人間の耳には聴こえない不可聴帯域が実に多分に含まれています。含まれているというより、カットされていないという表現が正しいでしょう。聴こえなくても録音しているから、勝手に入ってしまっているのです。

しかし、CDになると、音波をデータに換えて取り込んでいるため、不必要なところがいくらか削られています。そして、mp3などに圧縮された音源は、こちらは意図的に、データ量を小さくするため、わざと要らないところ、それは可聴帯域であっても削り取ってしまっているのです。

そこまで話せば、いかに録音状態の悪い音源であっても、論理的にレコードを越える良質な音源は作り得ないのです。しかしながらも、何を良い音と感ずるかは人それぞれです。itunesやlismoなどでダウンロードした音源であっても、良質なオーディオ機器で再生するならば、一般論としての「音質」の良さ、低温のふくよかさや中音域のまろやかさ、高音域のきらびやかな音色などは、所謂、古きのレコードプレーヤーで再生するそれよりも、勝っている言わざるを得ないでしょう。

それでも、音楽というのは、人が感じて、人が想い、人が伝える、人と人との触れ合いでもあります。それ故に、何を良しとするかは、一概に決めつけることは出来ないもの。それぞれの主観で、そして客観で、揺り動きながら認識されていくのだと思います。

そして、これは私の私見であって、一般論とは言えないし、正論であるとも思ってはいないのですが、データ音源がレコードを越えるために必要なもの、それは、もしかしたら要らない音なのかもしれません。音同士が重なって消えてしまう音や、聴こえないくらい小さな音で鳴っている音色など、聴こえない部分に焦点を当てて、音像を広げていくことで、レコードの深みをデジタルで味わえるような、否、言い方が悪いですね、デジタルであるのにも関わらず、レコードより和みのある、レコードよりも人の手を感じる音源が作れたなら、それは素晴らしい素敵な進化と言えるのではないでしょうか。

テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽


Boy With the Arab Strap / Belle & Sebastian

  1. 2012/12/01(土) 01:44:54_
  2. CDレビュー
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
Boy With the Arab StrapBoy With the Arab Strap
(1998/09/08)
Belle & Sebastian

商品詳細を見る



英国は、グラスゴー出身のカウンターバンド「belle&sebastian」'98年の作品です。当時、日本ではグレイやラルクを中心としたビジュアル系バンドが人気を誇り、椎名林檎やaiko、宇多田ヒカルなどが揃ってデビューして来た頃でした。そんな世紀末の浮きの世に、それは暗いスタンスながらも、確かな光を放って居りました。

当時の日本の洋楽シーンはというと、長年続いた「MUSIC LIFE」誌が休刊を告げたのもこの年の暮れのこと。同誌の邦楽シーンでは、スーパーカーやGRAPEVINE、小島麻由美などが注目されていました。全体的にブリティッシュな音楽テイストが国内外問わず、トレンドだった時代でもあります。

実際に国内でも「beat U.K.」というイギリスのチャート番組が深夜帯で毎週放送されていたことを考えると、そのトレンド感も大いに分かって頂けるのではないでしょうか。

そして、このバンド「belle&sebastian」です。当時は、インタビューもほとんど受けることはなく、写真を掲載されることすらにも抵抗していたバンドです。そんな時代の、まぁいつの世も変わりはないかもしれませんが、若き日のアングラ気分というのは、実に奇怪なものであるとも言えます。

ただ、その音楽はというと、実に繊細で丁寧に作り込まれた美しい音世界で、インナーで憂鬱な歌詞を私小説的に綴りながらも、そのメロディやコード感の美しさ、バンドアンサンブルの巧さ、録音のクラシカル感などもvo.の声量の少なさと共に、独自の世界観を保っています。

今なお、活動を続けているバンドではありますが、この頃の「belle&sebastian」の美しさは、現在の音楽性と比べても逸筆ものです。もう一度このような音楽を期待するのは、いささか期待が重過ぎるというもの。しかしながらも、この頃の音楽がこうしていつでも聴けることには有り難みを感じざるを得ないところであります。

テーマ:お気に入り&好きな音楽 - ジャンル:音楽



<<NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY

« 2020 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR


▲PAGETOP